pHコントロール用キャットフード
pHは猫の健康管理に重要
PHとは酸性、アルカリ性の値のことです。人間でも体が酸性に傾くと体調が悪くなったりしますが、猫も尿のPH値がかわることで病気になるのです。特に多い病気は下部尿路疾患です。
もともと猫の胃の中は酸性です。それが食事をすると、一気に尿がアルカリ性に傾きます。食事の後排尿し、水を飲んでいれば酸性が保たれます。しかし、尿を出さずにため込んでしまうと尿は常にアルカリ性のままでいることになり、尿中にあるマグネシウムを結晶化させてしまうのです。これが集まって固まると尿結石になります。
猫のトイレは猫砂や木製チップなどでしょう。そうすると尿がどのような状態か、確認するのは難しいものです。ストルバイトの結晶はキラキラ光るので、どうにか見つけることができるかもしれませんが、それより市販のリトマス試験紙を購入して調べたほうが効率的です。
下部尿路疾患と食事
下部尿路疾患になりやすい猫は、室内飼いで肥満気味の猫が多いようです。それは給餌の方法にも問題があるのでしょう。いくら猫が喜ぶからといって、大量の餌をいつでも食べられるような状態にしてはいけません。
猫は自分で食欲をコントロールすることも上手ですが、中には与えれば与えるだけ食べてしまう猫もいます。そういった場合、飼い主が健康管理することで、pH値をコントロールしてあげましょう。
健康管理の基本は食生活を変えることです。
ではPHを正常に保つには、どのようなキャットフードがいいのでしょうか。
アルカリ性でなるストルバイトを予防するには
ストルバイト結石は尿がアルカリ性に傾くことで発症しやすくなります。
マグネシウム由来のストルバイトはPH値が6.6で結晶化しやすくなります。それより下の数値ですと、自然と尿とともに排出されます。ストルバイト結石は主に1歳~6歳の成猫に多い症状です。ストルバイト結石を予防するには、尿を酸性に傾ける必要があります。
1度でも結石になったら、マグネシウムなどのミネラルが少なめの療法食に切り替えます。もし猫が太っているようなら、これを機会にダイエットもしましょう。
療法食は猫にとってうまみのあるマグネシウムやカルシウム、リンなどの成分が少なくなっています。それに無添加のものだったりすると、食欲を増すような匂いもつけられていませんから、あまり喜んで食べてはくれないようです。
そんなときは療法食のウェットタイプを併用しましょう。トッピングに使うか、1食をウェットキャットフードに切り替えます。
酸性でなるシュウ酸カルシウムを予防するには
シュウ酸カルシウムによる尿石は、高齢猫に多いようです。本来なら弱酸性の胃液が、どんどん酸性に傾くことで尿石になります。シュウ酸カリウム結石を予防するためには、尿をアルカリ性に傾ける必要があります。
シュウ酸カルシウム尿石の予防のためには、やはりカルシウムやシュウ酸が抑えられたフードを与えるようにしましょう。
現在はストルバイトに有効なキャットフードの中に、シュウ酸カルシウムも同時に排泄できるものが販売されています。また数は少ないのですが、シュウ酸カルシウム対応の療法食も販売されています。尿の濃度を薄めるために水分含有量の多いウェットフードを与えても良いでしょう。
ただし、シュウ酸カルシウムの結石が一度できてしまうと、基本的には食餌療法だけでは治りません。
さらにかかりやすいのが高齢猫であることも多く、症状が重篤化しやすいので注意が必要です。手術で尿石を取り出さないといけないのです。
そうならないためにも日ごろから水を飲めるように工夫する。トイレはいつも清潔にする、添加物の多いキャットフードや栄養が偏ったフードを与え続けるといったことは避けるなど心掛けてください。