妊娠・授乳期用キャットフード
妊娠中は餌を変えるべき
猫が妊娠したとわかったら、普段より食事に気をつけてあげましょう。人間と同様に猫も妊娠中は多くの栄養を必要とします。栄養が足りないと元気な赤ちゃんを産み、育てることはできません。妊娠・授乳中の猫にはいつもとは違う餌をあげましょう。
また、与え方にも注意が必要です。多頭飼いの場合はできるなら別室で1匹だけで食べられるようにしてあげたいものです。
では妊娠から出産、授乳まで、どのようなキャットフードを与えたらいいのでしょうか。
妊娠中のキャットフード
猫は妊娠すると60日から65日で出産します。妊娠初期はほとんど様子が変わりません。1週間もすると、出産と授乳に必要なエネルギーを蓄えるために少しずつ食欲が出てきます。乳房がピンク色で発達しているようなら、妊娠しているのは確実です。
妊娠中に与えるキャットフードの条件として、高カロリーであることが挙げられます。
妊娠中の猫に必要なカロリーは、平常時の1.5倍です。そのカロリーの需要量を賄うだけの食餌を飼い主は与えなければなりません。
カロリーの他に十分なエネルギーを得るためには、タンパク質35%以上、脂肪分18%以上も必要になります。さらには、お腹の中の赤ちゃんを育てるために必要なβカロテンやDHA、EPAなども十分に摂取させましょう。
3週間もすると、食欲がなくなってだるそうにしていることがあります。そんなときは無理に食べさせず、好きな時に食べられるようにしてあげましょう。食欲をそそるように、なおかつ高栄養のウェットフードをトッピングして与えても良いです。
妊娠も後期になると、猫もお腹が膨らんで1度に大量に食べられなくなります。普段は1日2回の食事でも、妊娠中は4回から5回に分けてあげましょう。大量にあげるのではなく、少量で栄養価の高いものが理想的です。
出産から授乳中のキャットフード
授乳期も、生まれた子猫に母乳を与えるために多くのエネルギーを必要とします。授乳中は平常時の2倍のカロリーが常に必要になります。母体に十分な栄養がないと、生まれてくる子猫が死産だったり、生まれつき弱くすぐに死んでしまったりということにもなりかねません。また母乳の出が悪いと、強い子だけしか生き残れなくなってしまいますからなおさら注意が必要です。
高タンパク、高カロリーのフードを与えるようにしましょう。産後の回復期まで食べる必要があるのですから、妊娠後期からこのような高栄養キャットフードに切り替えておくといいでしょう。
多頭飼いでドライキャットフードは他の猫と共通ということなら、高栄養のウェットキャットフードを常に足してあげれば問題ありません。
家猫としてずっと可愛がられてきた猫によっては、初産でうろたえてしまって失敗することも多々あります。落ち着いて出産できるように環境を整え、産後も授乳で慌ただしい間に、十分に食事ができるように配慮してあげてください。