歯垢・歯石がつきにくくなるキャットフード
家猫も歯磨きが必要
野生の猫には歯磨きの必要がありませんでした。歯を使って獲物を捕らえ、かみ砕いて食べていたからです。しかし、狩りをしなくなった家猫は歯を使うことがありません。ドライフードも噛まずに丸のみすることもあります。柔らかいウェットフードばかり食べていたらなおさらです。
人間は柔らかな食べ物でも噛みますが、猫は噛む必要がなければ丸呑みしてしまいます。そうなると口の中にある食べかすが、食事の後いつまでも貼り付いた状態になってしまうのです。そして食べかすに唾液に含まれるカルシウム成分が付着して、歯石というやっかいなものになります。歯石は歯周病、歯槽膿漏などの原因なのです。
また、唾液の分泌が悪くなる高齢猫は特に注意が必要です。唾液が減れば歯石になりにくいと思われるでしょうが、実は正反対です。唾液が少ないと口腔内を清潔に保つ自然の力が弱まってしまうので、やはり歯石ができやすくなってしまうのです。
歯垢、歯石を減らすためには
歯磨きをしてあげる
歯垢、歯石を予防するには、毎日歯磨きをするといいでしょう。動物用の歯ブラシや、指先に巻き付けて口腔内をきれいにするペーパーなども市販されています。道具を用意することができない場合はガーゼで代用することもできます。また、繊維質のもので作られた噛みつくおもちゃなどで遊ばせることでも歯磨きと同じような効果を得ることができます。
けれどほとんどの猫は、素直に歯磨きをさせてはくれません。歯磨きを嫌がられないためには、小さいころから歯磨きに慣れさせる必要があります。
幼猫時に歯磨きをしていなかった猫に、大人になってからいきなり歯磨きをさせるのは難しいでしょう。そんな時は歯垢が着きにくいキャットフードに取り替えてみましょう。
歯垢が付きにくいキャットフードとは
ドライフードとウェットフードでは、ドライフードの方が歯垢の予防には向いています。ウェットーフードの方が嗜好性は高いのですが、柔らかいゆえに噛む必要がないので、歯垢が付きやすくなり、猫の健康には相応しくないのです。ただのドライフードではなく、「歯石・歯垢の予防」が謳われたフードを選びましょう。
歯垢、歯石対策のドライキャットフードは、粒が大きめに作られています。そのため猫は、噛まないと飲み込めなくなるのです。しかし、噛むことで粒と歯が接触し、擦れることで歯に付着した歯垢が剥がれ落ちます。つまり、噛んで食べることで歯磨きの代わりになるのです。
キャットフードを歯垢用に取り替えてすぐには、食べにくいので敬遠されるかもしれません。ですが歯垢が気になるようなら、1か月は根気よく続けてみてください。
高齢猫こそ歯垢対策のドライキャットフードを食べてもらいたいのですが、食べにくいのでいやがるかもしれません。そんなときは毎日の食事としてではなく、おやつのように少しずつ与えて馴れさせてください。
歯垢、歯石にいいおやつを与える
ウェットキャットフードを主体にしている、手作りフードが基本、そのような場合は、おやつで歯垢や歯石予防にいいものを活用しましょう。
ペット用の煮干しは最適です。これは塩分調整がしてあるので、人間用と違い与えても安心です。酸化しやすい性質があるので、多頭飼いでなければ少量のものを買いましょう。
また猫用のササミジャーキーやガムなど噛まないと食べられないおやつも有効です。様々な種類の歯磨き用のおやつも市販されています。ただし、あげすぎると栄養バランスが崩れてしまうため、カロリーに注意して与えてください。