体臭をおさえるキャットフード
猫は体臭がほとんどない
猫にはほとんど体臭がありません。それは隠れて獲物を狙う動物として、とても重要な要素なのです。家猫になっても体臭がでるようなことはほとんどありません。
そんな猫が臭いと感じるほど臭うようなら、なにかの病気の可能性があります。自ら舐めて手入れするグルーミングでも追いつかない皮膚病か、または体を舐めるために付く唾液が臭くなっているのです。
皮膚病はブラッシングのときなどに確認できますから、少しでもおかしなところがあったらすぐに病院で診察をうけましょう。猫は痒いと激しくかきむしることがあるので、場合によってはエリザベスカラー(体を舐めないように首につけるもの)などの装着も必要になります。
口腔内の異常も内臓疾患の可能性がありますから、やはり一度受診したほうが賢明です。
猫の体臭をおさえるキャットフードというものはありませんが、原因がわかればそれに対処するキャットフードを選ぶ必要があります。
口臭は歯垢と歯石が原因
猫が臭い原因は体臭ではなく口臭かもしれません。猫も人間と同じで口内環境が悪化すると口臭がするようになります。臭うほどの歯垢や歯石となると、歯肉炎や歯周病、歯槽膿漏の可能性もあります。猫の口を開かせ、よく歯茎の状態を見てください。赤黒く腫れ上がっているようならかなり危険です。歯茎がピンクなら歯磨きやフードを変えたりしてしばらく様子を見てみましょう。
口臭対策のキャットフード
口臭の原因が歯垢なら、まず歯垢を取り除くキャットフードに切り替えるなどの対処が必要です。
歯垢対策には、大粒のドライキャットフードが最適です。噛んで食べることで歯に付着した歯垢を取り除いてくれます。
ウェットキャットフードは嗜好性が高く猫が喜ぶものですが、歯垢が付きやすいので口臭が気になるときは避けたほうがいいでしょう。
デンタルケア用のガムやジャーキーなどのおやつを与えても良いでしょう。もちろん欠かさず歯磨きをしてあげることも重要です。
尿や便の臭い
猫の尿は臭いものです。それが排泄時に体に付着すると、いやな体臭の原因になります。まめにペット用ウェットティッシュなどで拭き取ってあげればいいのですが、縄張り意識が高くスプレー(マーキングの一種でまき散らすように濃い尿を出すこと)の激しい牡猫だとおいつきません。
そんな猫のために尿臭や便臭を抑える効果のあるミネラルやリモナイトの入ったおやつが市販されていますが、あまりおすすめできません。なぜならミネラルの過剰摂取は結石や尿毒症などの別の病気を引き起こすため、かえって猫の体によくないからです。本来臭うものである排泄物から臭いをとるために、猫の内臓に負担をかけるようなものを与えるのは飼い主のエゴに思えます。
排泄物の臭いを抑えるキャットフード
糞や尿が臭いのは仕方のないことです。ですが、あまりにも強烈な臭いの場合は与えているフードが原因のこともあります。
穀物の割合が多いフードや、質の悪い原料を使ったフード、人間の食べる食べ物などは消化に悪く、排泄物の臭いを強くしてしまいます。食べ物をうまく消化できないと腸内環境が悪化し、便秘や下痢になります。そうなるとますます臭いがひどくなってしまいます。
そうならないためには、質の良いフードを与えてあげることが大切です。
具体的には、チキンやビーフ、魚などの動物性の肉が主体のフードです。便秘や下痢対策で腸内環境を整えるために食物繊維が含まれているものも与えても良いでしょう。
ただし、4Dミートのように質の悪い肉や何の肉が使われているか分からない原料、添加物などを大量含んでいるフードは消化に良いとはいえないため、避けましょう。
フードの他にもトイレを清潔に保つ、猫の体が汚れたらすぐに拭き取るといったことも徹底しましょう。これらを心掛ければ、排泄物の臭い問題は解決します。